結局のところAIとはなんでしょう

m.naito

こんにちは。たまの休日に映画を見ながらギークな工作中である内藤です(笑)

初期のAI

近年「人工知能」「AI」といったキーワードが再び注目を浴びることが増えてきたと感じることはないでしょうか?

2000年に日本で発売された家庭用ゲームソフトである「シーマン」は、人語を解す人面魚の育成ゲームという触れ込みで、従来技術による音声認識と簡単なパターンマッチングによる会話エンジンを搭載しておりました。現在の技術水準で見ればお世辞にも自然な会話が成り立っているとは言い難いレベルではあったものの、当時のコンシューマーや研究者はその先進性に大いに驚かされました。

さらに遡った1970年頃、MITで人工知能を研究していたJoseph Weizenbaum氏によって「ELIZA」という心理セラピストを模倣した自然言語処理プログラムが開発されました。単なるパターンマッチングの組み合わせに過ぎなかったこのプログラムは最初期のチャットボット (会話プログラム) と考えられています。

現代のAI

それから約50年後、今や誰もが知るAppleのSiriを筆頭にAIの技術がコンシューマに認知され始めています。企業の採用活動や保険業務・自動運転などの多数のジャンルにおいてもこのような技術が既に適用され始め、今もなお世界的に名立たる企業各社や各国の研究機関は各々の生き残りを賭け、更なる高級な人工知能の開発に勤しんでいます。ある一説では、そうした先に迎える2050年頃の未来を「技術的特異点 (Singularity)」と呼び、AIが自分自身を改良する能力を持つと予想されています。現代におけるAI時代の到来を産業革命になぞらえる者や、Singularity対して終末論を唱える学者が現れていることからもその影響の大きさは計り知れなさそうです。

現代のAIは先述のような万能性は持たず、一口にAIと言っても様々な用途に応じた様々な種類があります。例えば、人間との雑談に特化したもの・レコメンドに特化したもの・保険や採用活動に向けたものに至るまで、達成したいタスクに応じたAIが多数考案されています。これらは「記号的AI」などとも呼ばれ、大量の事例を反復的に学習して所望の結果を取り出すことに長けていますが、ヒトの脳のような汎用性に乏しく、この概念をどこまで拡張しても計算量が増えるだけで人間になり代わることは出来ないと言われています。

反対に利用目的を限定しないAIは「汎用AI (強いAI)」などとも呼ばれ、これはヒトの脳にしばしば例えられます。脳内で起こっている事象は現代においても完全には解明されておらず、生化学的にもそれを観測する手段も限られているため、代わりに数学的なアプローチに基いて脳内をモデリングする試みが続けられています。その結果、最近になって「ディープラーニング」と呼ばれる新しいAIの実装手法が考案されるに至り、各社のAIエンジンにも応用されています。また、将来的にはこれを応用したAIの汎用化も期待されています。

ディープラーニングの優位性

我々が新しい概念を学ぶ時、人から教わるケースと、概念から意味を抽出して自力で学ぶケースの2つが考えられ、ディープラーニングは後者を実現するものとされます。大量のデータの塊の1つ1つに対して人間が正解やルールを教える必要は無く、データ同士の関連性やルール・原則を自力で学び取る技術とされています。生活に関わる事柄の多くが莫大なデータとしてあらゆる場所に保管されている現代において、この特性は非常に優位性を持ちます。

例えば、好きな色や好きな本に関する質問に数個回答するだけで、好みのお酒の種類や好みの異性のタイプを的中させる芸当が実現出来てしまいます。これは考えようによっては非常に恐ろしくもあります。

しかし、現代のディープラーニングは人間の脳の働きの一部を数学的に再現しているに過ぎず、目的とするタスクに応じた高度な数学的考察とモデリングがその都度必要です。誰もが数学のプロフェッショナルではありませんので、この技術が誰にでも悪用出来る映画のような世界が到来するのはまだまだ先ですね。

次回につづく

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